奨学金をめぐるトラブルについて

勉強する女性

奨学金の返済で自己破産してしまう大学生が増えている

大学に通う学生のほとんどは奨学金を借りています。しかし、近年、奨学金を借りても返済できずに、自己破産に至ってしまう人が増えています。

奨学金を返済できない背景は様々ですが、卒業後に非正規での採用しかなかったり、正社員として登用されても賃金が安かったりという原因があげられます。奨学金を返済する意思はあっても、経済状況が厳しく、返済できないケースがほとんど。返済できないことに悩み、自己破産という道を選ぶしかない若者がいるのです。

また、奨学金の返済で自己破産した場合には、その影響は本人だけにとどまりません。奨学金を借りる際には連帯保証人や保証人を決めなければなりませんが、本人が破産した場合には連帯保証人・保証人に返済の義務が移ります。親や親戚が保証人になっている場合が多く、連鎖して一家・親戚を巻き込んでしまう事例もあるようです。

奨学金問題とは? | 奨学金問題対策全国会議

奨学金返済の仕組み

奨学金には大きく分けて、「給付型」と「貸与型」の二種類があります。「給付型」は返す必要がない奨学金で、「貸与型」は返済しなければならない奨学金です。「貸与型」はさらに「無利子」「有利子」の二つのパターンにわかれており、無利子の場合には借りた金額だけを返しますが、有利子の場合には借りた金額に利息をつけて返す必要があります。日本の大学生が利用している奨学金の多くは「貸与型」で「無利子」のパターンです。

奨学金は大学を卒業後、月々1~2万円を十年以上返済し続けることになります。例えば、月5万円の奨学金を2年間借りた人の場合、月1万円の返済を12年間続けたという事例があります。

奨学金トラブルを防ぐために

奨学金は返済の義務がある「借金」です。借りる金額を決める際には、「いくら必要なのか」という点も大切ですが、それと同じくらい「いくらなら返せるか」という計画を考えることも重要です。

返済を少しでも楽にするためには、無利子の奨学金を目指しましょう。無利子の奨学金は有利子のものに比べると経済状況や成績の基準が厳しめですが、成績については努力次第で伸ばせます。早いうちから奨学金を借りることを考えて、学校の成績を意識しましょう。また、多くの大学は入学金や授業料の免除制度を設けています。優秀な成績を上げることで、奨学金を借りる以外の手段でも経済支援を受けられます。

これらの免除制度以外にも、上記のような大学が所有する学寮や学生会館などの施設を利用するという方法もあります。学寮や学生会館は比較的家賃が安いほか、食事付きや光熱費無料などの物件が多く、一般的な賃貸住宅よりも生活費を大きく軽減することも可能です。これらの支援制度や施設を上手に利用することで、安価に大学へ通うことを実現できます。

借りる金額を抑えることができれば、奨学金に関するトラブルの心配も少なくなるでしょう。修学の目的と目標を明確にして、奨学金を有意義に活用してください。

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